【ワークショップ2】に参加して  甘辛城主 

「シニアネットの新たな飛躍!」“企業・行政とのコラボレーションの促進”」

  事例報告者:古川 信幸氏  日本アイ・ビー・エム株式会社 社会貢献 課長

    堀池 喜一郎 氏 NPO法人シニアSOHO普及サロン・三鷹 代表理事


 一昨年、横浜で開かれたこのイベント「シニアネットカンファレンス」を、メロウ倶楽部が共催と言う形で 推進した時のメインテーマが、「各地の地域ネットとの関わりを如何に広めるか」であった事から見ると、1つの新しい流れを感 じる。

 すなわち少し前までが“シニアネットが如何にそれぞれの地域に根ざした活動をするか”と言う草の根型の 掘り起こしを中心にしていた時代から、より活性化された団体として活動範囲を大きく広げようとしている。この飛躍の為には、 どうしても行政・企業との連携を模索しなければ円滑には進まない為、今回のメインテーマとなった事がうかがえる。

 全国でシニアネットと名のつく団体は、一応世間で認知されている物だけでも100を遥かに越える数があるが、 シニアの集まりを、一昔前の"陽だまりの中で、背中を丸めて静かに過去を語っている-"と言った年寄りのイメージから完全に 開放し、いまやセカンドステージを現役時代より一層耀きのあるものにすべく、活動範囲を広げようとする意欲満々な団体であ るとの認識が目を引く。

 ワークショップ2 は「シニアネットと企業が地域で楽しくビジネスを」と言うタイトルで、 日本アイ・ビー・エム株式会社とNPO法人シニアSOHO普及サロン・三鷹 が事例発表を行った。
 この両者の連携は、三鷹・多摩地区の学校、教育委員会をターゲットとして、企業のIT化戦略を進める事であったが、 地域ネットとしては企業の意図する事は充分に理解しつつ、商業ベースではなく、地域の仲間が推進していると言う イメージで軌道に乗せる事によって、企業から充分な報酬を受け取る。

 また企業としては細かいフォロー体制 を独自に組む必要がなく、自社の戦略が着実に推進出来る事で、充分にペイしていると考えている。
 この相互の利害が、地域での新しいビジネスを創造している。

 前記NPOは、その活動拠点を特定の地域に 根ざすボランティア団体と位置づけながらも、「分け与える-」という無償のイメージからは脱却し、参加する者の「具体的な 収入」を目的の1つとして、喜びを単なる精神的なものから物質的なものへと転換させる事で、会員の責任感と達成意欲を 喚起し、団体の底辺の広がりに結びつけると共に、企業の信頼を得て、新たなる企業活動に密着して提携範囲を広げて いく--と言う動きを行っている。

  このワークショップ2は、NPOと企業が双方で補完しあう事により関係を強化し、 また活性化された団体に飛躍していく事例として取り上げ、その内容の報告に対して質問と討議が行われた。

 今、一定の規模になった大企業では、直接的利益追求とは別に、その企業のイメージを大切にし、社会への利益還元 の一端として進める「社会貢献」が重要な部門として取り上げられている。
  そしてその部門の考え方も、企業のPR 的な感覚から離れ、還元するのではなく純粋に貢献する事が重要であるとの認識になって来ている。

 後「金は出すが口は出さない」と言う貢献イメージアップ型の社会参加を志向する企業に対し、出しにくい本音の部分を 地域ネットが充分に汲み取り、認識しつつ、それを効率よく生かしながら、地域や学校に定着させていく「仕組み」を作り 上げる事で、充分な報酬を得ながら活動していく団体を育成していくのもまたシニア団体の見事な知恵と行動力である、 と思う。

                                以  上