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活動報告(18)

第13回「メロウ倶楽部講演会」報告

日時: 2005年2月26日(土曜日) 午後3時〜5時

場所: 東京都台東区生涯学習センター 5階
      504号教育研修室

演題: 「深海に挑む−深海潜水調査船の話など−」

講師: (社)日本深海技術協会技術顧問 大野 檀 氏
      (メロウ倶楽部会員)

参加者:   36名


 定刻3時に、マーチャンの司会により開会致しました。
 講演に先立ち、会長の紫竹のさんから開会のことばがあり、続いて講師と友人関係にあるザックスさんから、 大野 檀 氏(メロウ倶楽部会員、だんさん)の紹介がありました。

講演会

1.深海環境の苛酷さ


 深海10,000m(最深12,000m)での環境は、一番問題になるのは水圧である。具体的には1m2当り10,000トンであり、この大きさがどのくらいであるかは、この13倍の面積で戦艦大和を支えると思えば想像がつく。この水圧に耐えるための建造資材・構造などの材料技術面を解説。また船体のバランス、光のない世界、排気できない環境など「潜水艇」であるが故に克服しなければならない種々の問題、 海水中で活動するので海水による腐食対策、海水の好電気伝導性対策(絶縁対策)なども克服しなければならない。


2.世界における深海潜水調査船の歴史


 日本は意外に早く1929年、西村式豆潜水船1号が、200m 潜水航行した。
 その後、1934年米国、48年スイス、51年日本「くろしお」、などが続いたが、各船艇の写真とエピソードを交えて紹介された。
 近年、深海潜水調査船を開発しているのは日本、米国、フランス、ロシアの4カ国のみである。
 1990年、日本の「しんかい6500」が、6500mの深度に達し、現在までこの記録は更新されていない。


3.“しんかい6500”の完成と要目など


開発の目的と経緯:

 目的のおもなものは

●深海の生物、微生物、鉱物など各種資源の調査・研究

●地球の地殻構造、深海底挙動の調査・研究

●人間の感覚、特に肉眼による現場での調査・研究

●人間の直接操作によるケメラによるリアルタイム撮影、サンプル採取、

  データ収集などの調査・研究

  などである。


 開発の検討は1965年から始まり、竣工は1990年であったので、完成させるまでに25年かかっている。
 その間の苦労や喜びを当時の写真を紹介しながら解説された。


“しんかい6500”の構造
 3Dの透視グラフィックで解説されたが、これが、元理科少年にはたまらなく興味ある内容であったが、ここでは説明不可能。(写真参照)


“しんかい6500”の活動成果
 各地の深海で撮影した興味深い写真が紹介された。
 地底の構造や岩石の写真などはよくわからなかったが、深海底によこたわる「鯨の骨」などは素人にもよくわかった。


4.深海での研究・作業と計画など(各国)


 ●アルビン(米国)により撮影された海底に眠る「タイタニック号」
これは、アルビンから発進した小型無人潜水艇によりタイタニック号の船内にまで入り撮影され、船内のカラー写真が紹介された。(圧巻!)

 ●ソ連潜水艦“ゴルフ”の引揚げ(ハワイ沖)
ソ連巡洋艦が監視する中、米国の艦艇が洋上から沈没したソ連潜水艦ゴルフを水中に吊り上げ、米潜水艇が海中でゴルフをダイヤモンド粉末をつけたチェーン・ソーで「輪切り」にして引き揚げた。

 ●地球深部探査船“ちきゅう”の建造

全長       210m

幅        38m

海上の高さ    112m

喫水       9.2m

総トン数   57,500トン

最大搭載人数   150人

最大稼動深水  2,500m(将来 4,000m)

ドリルの長さ 10,000m(海底 7,500m)   など

 ●索つき無人潜水機(ROV)“かいこう”(10000m級)
    1995年、世界最深部マリアナ海溝10,911m到達
    2003年、母船と子船を結ぶケーブルが切断され、亡失した。

 ●現在使用の“かいこう7000”
現在は、この「かいこう7000」が稼動しているが、深水は7,000mである。

 ●自律式無人潜水機(AUV)“うらしま”の建造

全長         10m

幅      1.3m

高さ      2.4m

総トン数    10トン

       など

 ●米国原子力潜水艦“パルゴ”の北極海々氷下観測
1993年、はじめて科学者を乗せて「科学航海」を行った。

 ●中国の動向
深海潜水調査船の保有を「有人衛星保有国」の次ぐ国家的事業に位置づ け、具体的な建造を検討している。


5.“しんかい6500”の作業ビデオ(熱水鉱床など)


 最後に母船から洋上に降ろされ、深海に挑む「しんかい6500」、深海で活動する船内の様子、窓から見える深海の様子などを実際に「自分の目」で、「自分の肌」で感じとりました。
 敢えて言えば、時間の関係で「ほんの少し」しか上映されず、「もう少しいろいろ見せてくれればいいのに...」とやや欲求不満気味でした。(それがいいのかな?)


※紙面の都合上、スライドを勝手に一部省略させていただき、オリジナルのスライドとは必ずしも一致いたしません。
 すでに、ノーカットの講演ビデオをビデオ・ライブラリーに入れてありますので、興味のある方は活用下さい。


なお、懇親会は同会場内の中華料理店の一室を借り切って和気藹々に行われました。


※ 写真提供:ザックスさん、のびさわさん、乃木農さん 
どうもありがとうございました。

以上(文責 多摩のけん)

講演会 風景





 






 



懇親会 風景



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