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活動報告(17)

第14回「メロウ倶楽部講演会」報告

日時: 7月7日(木曜日) 午後3時〜5時

場所: 東京都台東区生涯学習センター 5階
      504号教育研修室

演題: 「世界と日本の人口問題」
         特に少子・高齢化・若者の性行動

講師: 元国立東京国際医療センター
         国際医療協力局長
         我妻 堯 博士

参加者:   34名


 心配された雨も降らず、かといって猛烈に暑くもならず、絶好の講演会日和(?)に恵まれ、参加者の出足も好調で、マーチャンの司会により、予定時間より5分ほど早く始めることができました。定刻より早く始めたのは、折角のご高名な我妻先生にお出でいただいたので、少しでも多くお話をお聞きし、質問なども聞いて頂きたいとのマーチャンはじめ参加者一同の思いが強かったからです。


 講演に先立ち、会長の紫竹のさんから開会のことばがあり、続いて我妻先生とご友人関係にあるザックスさんから、我妻先生の紹介がありました。

講演会

 講演で、先生は先ず世界の人口の推移に触れられ、西暦0年に2億7000万〜3億3000万人だった世界の人口が西暦 1500年に4億4000万〜5億4000万人になった。つまり、世界人口が2倍になるのに1500年かかった。ところが、その2倍の10億人になったのは約300年後の1807年であり、20億人なったのは120年後の1927年、40億にはわずか14 年後の1974年である。世界の人口の増加はこのように加速している。そして80億になるのは15年後(今から約10後)の2028年と推測されている。
 このような現象に対して世界の各国はどのような対応をしているのか?
 世界最大の人口を擁する中国は「1人っ子政策」をとったため増加率が鈍化し、1998年12億5500万人が2050年には 14億7800万人になると推測されている。これに対し現在人口第2位のインドは、計画出産に熱心でなく、同期比で 9億8200万人→15億2900万人で、世界最大の人口国になると予測される。
 第3位のアメリカは先進国でありながらやはり人口増加に対してあまり神経質でない。これは国土が広いので多少人口が増えてもまだ余裕があり、生活の豊かであるからではないかと思われるが、その結果、2億600万人→3億 1200万人となる。その他ブラジル、パキスタン、ロシア、バングラデシュ、ナイジェリアなどの国が同期間内に国内人口が約2倍になり、いずれも3億〜2億人を擁する人口大国になる。
 この中で、人口が減少するのは、唯一日本だけで、1億2600万人→1億490万人と予測されている。
 先進国と発展途上国の人口増加率を比較すれば後者の方が高い。
 1950年世界人口25億人のうち先進国8億人途上国17億人(途上国68%)が2000年では夫々63億、13億、50億(79.4%)、2025年(推計)では85億、14億、71億(83.5%)となる。
では、地球上の人口が増加したらどのような影響がでるのか?
 1)食料・水・資源・エネルギーの不足。 2)土地・住居の不足。 3)経済発展の遅滞。 4)農業近代化・工業化の遅滞。 5)廃棄物の増加・公害。 6)環境破壊(地球の温暖化→異常気象)などが考えられる。このようなことに対応するには各国による国際協力が必要であり、また、外交的な政治活動も必要である。


日本における人口問題について

 戦争が終ると戦場から兵士が帰国し、その結果として必ずベビーブムが起こる。
 日本も終戦後復員軍人が帰還し、ベビーブムが起こった。社会情勢は住宅難、食糧不足、失業者、浮浪者(こども)があふれる状態であった。
 そこで、産児制限を実施する必要が生じた。この家族計画普及運動は、政府は直接表面には出てこなかったが、日本家族計画協会が政府の補助を受けて活動した。実際に活動した人たちは、病院出産の普及で仕事がなくなっていた助産婦を再教育し、この人たちが各家庭を訪問し、避妊具の使用方法の指導と販売を行ったのである。
 日本において計画出産が普及したのは、国民の識字率が高かったことの要素が大きく、そのため津々浦々まで産児制限が広まり、出生率が急速に減少した。また、避妊の失敗に対しては人口中絶を合法化する「母体保護法」が制定されるなど、国家として人口問題に取り組んだが、これは宗教的背景が強い国では難しい問題もあると思われる。


HIV/AIDSの人口への影響

 HIV/AIDS感染頻度の高いアフリカ29ヶ国では、平均余命が47歳で、AIDSが存在していなかった頃より 7年短くなった。最も感染頻度が高いボツナワでは4人に1人感染しており、平均余命は1990年〜1995年の61歳から2000年〜2005年には41歳に低下している。それでも出生率が高いので人口は増加している。


現在の日本の人口問題

 戦後の家族計画運動の成功と医療の進歩で出生率は低下し、平均余命は世界一となった。その結果、高齢化と少子化が急速に進んでいる。
 少子化の影響:教育制度への影響(私立大学の破産など)、生産年齢人口の減少
 高齢化の影響:生産性向上の障害、要介護高齢者の増加


少子化の原因:晩婚化傾向


晩婚化の原因:女性の職場進出、価値観の変化(家庭の主婦より有職婦人)
       結婚するメリットがない、親離れしない、住宅難?


日本の若者の性行動

 性行動が活発化しており、その結果、10代女性の妊娠・中絶の増加、性感染症(クラミジア感染)の増加、がみられる。
 性経験者は中学、高校、大学とも女子の方が男子より高い。ある国立大学の1年生の性経験率は男女ともほぼ 20%であったが、4年生では男子約70%、女子約80%であったというデータもある。


などなど先生のお話は非常に多岐にわたり、どの話題も非常に興味深いものばかりなので、私のような浅学の者にはとても先生の言いたいところの要旨を語ることもできませんが、とにかく、私なりに理解したところをまとめてみました。紙面の都合上、60枚のスライドを勝手にキッタ、ハッタしてまとめてありますので、先生のオリジナルのスライドとは必ずしも一致いたしません。
 すでに、ノーカットの講演ビデオをビデオ・ライブラリーに入れてありますので、活用下さい。


 なお、先生は新聞記事などの資料を見ながら、スライドなしでお話になりましたが、報告の都合上、筆者が勝手に見出しをつけました。

以上(記録:多摩のけん 写真提供:のびさわさん)

講演会 風景


講演される 我妻先生




司会するマーチャン



開会の挨拶をする紫竹のさん

 



質問をする紫竹のさんと我妻先生




講師紹介をするザックスさん



 




 



謝辞をのべるKAMEさん

 

懇親会 風景



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